白夜を旅する人々







本のデータ
年月日 1998年07月18日
書店 新潮文庫
著者 三浦哲朗
ジャンル 小説
本の出所 図書館






お薦め本占いに、いつの間にか入力されていたので、読んでみました。

戦前・戦中の北海道で、老舗の呉服屋の六人兄妹のうち、二人が白い髪と白い肌を持って生まれた。兄妹のうち何人かは成長していくうちに、自分の家が忌み嫌われていることに気づき、そして自分たちの人生に絶望していく。

絶望を書いているのか、差別を書いているのか、ちょっと意図がわからなかった。確かに人とは違うということを忌み嫌う時代背景や地域性があるし、その中で生きていくのは難しいことに違いないし、登場人物が味わった絶望がどんなものかは見当もつかない。だけど、「生きる力がなくなったからじゃあ死のう」とか、「死ぬことだけが美しい道」とか「死ねば解決する」と考えてしまう登場人物に、どうしても憤りを覚えてしまう。自分ではどうにもできないことと闘うことの辛さを知っているわけではないし、エンターテイメントとして苦悩に勝った人のことばかり書かれるというのはよくないとも思うし、苦悩して生きられなくなった人を書くのは倫理の面からも難しいこととは思うけれど、なんとも苦い後味の残る小説である。それとも、こういう絶望を他人に味合わせないようにしようと決意するのが正しい感想だろうか?





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