| 年月日 | 1998年07月26日 |
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| 書店 | 新潮文庫 |
| 著者 | 立原正秋 |
| ジャンル | 文学? |
| 本の出所 | 図書館 |
立原正秋というと、私生活はダンディズムとストイシズムと歪み、描くのは日本の美と退廃と絶望。そんなイメージがあります。この本はまさに立原正秋という感じでした。
落ちぶれた旧家の従姉弟同士の繋がりを描くた「薪能」、韓国人との混血の一族の苦悩を描く「剣ヶ崎」、戦争の中で覇気を亡くした男が立ち直る(?)までを描く「薔薇屋敷」、ある男に出会ったことで狂気となっていく男を描く「白い罌粟」、ヒロインと夫の弟との淡い思いを描く「流鏑馬」の5編からなる短編集です。退廃と滅亡のにおいのする小説でした。自殺というのは、周囲の人への復讐なのだと聞いたことがあります。小説には、復讐というにはあまりに無気力な死が描かれていますが、もしかしたらこれは著者自身が自分の中の何かを葬っているのかもしれないと思いました。