夜のかけら







本のデータ
年月日 1998年08月23日
書店 講談社
著者 藤堂志津子
ジャンル 小説
本の出所 図書館






久しぶりに、藤堂志津子の未読本を見つけたので、借りてきました。

離婚して、名ばかりのフリーターとして親のすねをかじって暮らす利保子。暇と倦怠感を持て余す彼女には4人の男がいる。恋人ではなくて、男。男の気に入ったところだけに目を向け、飽きるまでは手放さない、そして、互いの存在消えたとしてもお互いに涙も流さないそんな関係。そんな利保子を中心に、いろいろな男女の関係が描かれる。

胸やけしそうな登場人物にイライラしてしまうと共に、なんとなくわかる部分もあるというような小説でした。ただ、自分が不安になると、自分と違う生き方の他人を攻撃するとのくだりには、ぎょっとしました。まさにその通り。私自身は、利保子のような人物を攻撃して生きている人間だと思います。自分自身の美学には反するけれど、自分の生き方を信じられない自分が確かに心の中にいます。この行為の醜悪さは、文章で読むと格別で、落ち込んでしまいました。とは思うけれど、利保子が実在したら、彼女を許容することはできないだろうなあ。





読んだ本1997へ