捨て童子・松平忠輝(上・中・下)
本のデータ
| 年月日 |
1998年09月10日 |
| 書店 |
講談社文庫 |
| 著者 |
隆慶一郎 |
| ジャンル |
歴史もの? |
| 本の出所 |
古本屋で購入 |
隆さんが最後に完結させた長編です。古本屋さんでついに見つけてしまいました。すごく嬉しくてほかにツンドクがたくさんあったのに買ってしまいました。この調子で他の本も棚ぼた式に手に入らないかしらん。
徳川家康の第六男であるが、異形のため捨ておかれた忠輝という人物が主人公でありながら、家康と秀忠の確執なども描かれている長編伝奇ロマン。忠輝は、家康の家臣をたらい回しにされて粗野に成長するが、奥山という老剣士に出会い、くぐつの娘雪と出会うことにより、武道に優れただけでなく知性のある若者に変貌する。
非凡に生まれついた人間を、凡人はなかなか受け入れられない。本を読んでいる時は、忠輝のような人物を素晴らしいとか好きだとか思えても、実際出会ったら、その素質を憎むかもしれない。本を読んでいる時は、めいっぱい忠輝びいきで、かくありたいとは思うものの、偉大すぎる父と非凡な弟を持った秀忠の冷酷さと嫉妬が、なんだか哀れに思えてならない。そう思わせる力まである小説である。
そんなわけで、幾分えこひいき気味だけれど、超ひさしぶりのお薦めです。
読んだ本1997へ