藤沢周平の世界







本のデータ
年月日 1998年1月7日
書店 文芸春秋
著者
ジャンル
本の出所 図書館





わたしの定義するところの趣味の読書には、勉強や研究という要素は含まれない。そして、読み方自体、感覚的で感情的なものである。ただ、あんまり偏りたくないという気持ちがあるから、他人に薦められた本を読んだり、意識的に新しい分野にチャレンジをすることも時々あるけれど、ただ楽しみたいというのが本音である。この本は、藤沢周平という作家がどうしてこういう物語を書くようになったのかという疑問に対して、ヒントをくれる部分もたくさんあったけれど、何カ所かひっかかるところがあって、精神的なダメージが大きかった。まあ、他人が違う受け取り方をしたからって、気にする必要はないし、だいたいこんな感想を書くこと自体大きなお世話なのだけれど、どうにもむしゃくしゃするので書いてしまおうと思う。

一番納得しかねたのが、藤沢さんが描く女性の解釈である。ある人の解説を読んだとき、男に都合のいい女としか受け取れなかった。でも、私は藤沢さんの小説を読んでいて、彼女たちが今の世の中で絶滅したタイプの女と思ったことは一度もない。美しい女性たちだとか、恋愛に決まった形は必要ないのだなと思っただけだった。それどころか読んでいて、登場人物が男だから女だからこうなんだと意識したこと自体なかったから、なんとなくショックだった。同時に、本を読むとき、知らず知らずのうちに自分にとって都合のいい解釈をしているのだなあと思った。私自身は、藤沢さんの言いたかったことが少しでもわかっているのだろうかと不安にもなった。




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