豊饒の海 「春の雪」「奔馬」
「暁の寺」「天人五衰」
本のデータ
| 年月日 |
1999年5月13日 |
| 書店 |
新潮文庫 |
| 著者 |
三島由紀夫 |
| ジャンル |
文学 |
| 本の出所 |
古本屋で購入 |
小池真理子の「欲望」を読んだら、どうしても三島由紀夫が読みたくなって、買ってきました。今まで読んだ三島作品というと、「金閣寺」「潮騒」「音楽」の三作品で、天下の三島作品に対してこれ以上読もうとはどうしても思えずにいました。実は「音楽」で度肝を抜かれたのでした。今読めば、きっとすごく楽しむと思うので、本とは出会う時期も大切だなあと、改めて思った次第です。
輪廻転生と、若さの美学と老いなどをめぐる起承転結の四部作です。「春の雪」では恋愛に命を燃焼させる松枝清顕、「奔馬」では思想を貫く飯沼勲、「暁の寺」では同性愛である月光姫、最後の「天人五衰」では未来を締めくくる意味で何も見つけられず自分だけを見つめる少年(もう名前忘れました)が登場します。それぞれの主人公の運命を見届けるのが、松枝清顕の親友本多であり、彼が老いるに従い冷酷さと醜さを身につけていくのも圧巻です。特に天人五衰での本多老人の冷酷さと醜さは壮絶に感じました。うまく書けないのですが、耽美な美しさと激しさが同居していて、それでいてじっくり楽しめるすごい作品でした。なんでこういう本のよさが前にはわからなかったのか謎です。
そんなわけで、「欲望」に登場した「仮面の告白」もぜひ読んでみたいです。
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