トロイの木馬







本のデータ
年月日 1999年7月28日
書店 角川春樹事務所
著者 冷泉彰彦
ジャンル
本の出所 借りる





まこりんさんよりお借りしました。どうもありがとうございました。買いもしないで偉そうな感想で、さすがの私もかなり恥ずかしいのですが、思い入れが強いということでもあるので、許して下さい。

アメリカの日系企業と日本企業間のコンサルティングをしている嶋田美佐子は、ある朝、会社の端末がコンピュータウイルスに汚染しているのに気づく。そして、それが彼女に取っての大きな変化の始まりとなる。会社からは解雇を言い渡され、ウイルスと言語ソフトをライフワークとする野島と、独占禁止法問題に燃えるエリーとチームを組み、自分を取り巻く環境と戦い仕事を勝ち取ろうとするが、ウイルスやネットワークなど問題、思想問題、各国政府などの陰謀に巻き込まれてしまう。というあらすじが合っているかどうか自信がないのですが、絶対に腰巻きのコメントは嘘のような気がする。Y2Kの話はどちらかというとおまけに感じた。

ぐいぐいと読ませる小説で一気に読んでしまった。ガラスの天井や、ビジネスシーンの描写のほとんどはかなり心のどこかと共鳴したように思う。難癖をつけるようだが、コンピュータとアメリカにおけるアジア人の立場とビジネスっていう点だけでなく、中国の政治問題や歴史的背景、軍の干渉、日本企業の癒着の話まで細かく書き込まれていてわかりやすい反面、何が主題で何を受け止めたらいいのかかなり面食らったのと、登場人物の言動が妙に不自然なのが気になった。特に、美佐子という登場人物が異常にヒステリックに感じた。でも、エリーという弁護士の言動は納得できたので、美佐子をヒステリックであるとかビッグビジネスのシーンにいるのはなんか嫌だなと感じてしまうのは、日本人の女性で成功している人はこうあって欲しいという思いこみからくる偏見のような感覚かもしれない。



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