| 年月日 | 2000年07月11日 |
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| 出版 | 双葉文庫 |
| 著者 | 乃南アサ |
| 本の出所 | 借りる |
まなみさんにお借りしました。ありがとうございます。
殺人者を描く「殺意」と殺された男の死ぬまでの意識を描く「鬼哭」の二つの小説をまとめた本。殺意は読んだのですが、「鬼哭」はどうにもくどくて途中挫折していました。でも、一冊にまとまった本として読むと、すんなり読めて、それが不思議でした。
殺意で淡々と描かれる殺人者として目覚めていく男と、鬼哭で殺された男が死ぬまでの数分間という時間の中でこれでもかこれでもかとしつこく自分の心情を語る様子はなんとも対照的で不思議な本だった。殺人者だけ読んだり、鬼哭だけ読むと、なんかいまいちつまらなかったのだけれど、並べて一気に読むと違う発見があった。殺人者の異常心理よりは、自分が自分がと主張する人に限って、大した人間ではなくて、世間では存在感がないという皮肉が見えるような気がする。