| 年月日 | 2000年11月07日 |
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| 出版 | 新潮文庫 |
| 著者 | 北原亞以子 |
| 本の出所 | 図書館 |
千に三つしか本当のことを言わないのが「せんみつ」。しかし、茂平次は万の言葉すべてが嘘で空っぽ。だからあだ名は「まんがら」。まんがらだけど憎めない茂平太とを中心に、幕末の江戸の人々を描いた連作時代小説。
ほのぼのとして暖かい雰囲気や、登場人物の優しい気持ちとはうらはらに、厳しい時代背景の下での生活はシビアな感じで描かれていて興味深い。人情だけに流されないからこそ、心に染み入るだと思う。茂平次が父母を見慣れた風景で懐かしむシーンや、小ぎんが薩摩武士に見栄を切るところ、逃げ込んできた喜十郎を茂平次たちが極度に緊張しながら隠し立てするところなどは印象深かった。いい人という括りが、狭すぎないところも鷹揚で心地よい。