2003年3月の感想






ピーター・ストラウブ 『ミスターX(上・下)』 創元推理文庫  2003年3月13日 (購入)

クトゥルー神話体系がベースにあるホラー。誕生日のたびにある発作を起こしていた少年が、母の危篤を不思議な力で知って帰郷し、自分の影と父、自分の一族とその過去に会い、自分と一族の運命を切り開いていく物語。個人的には難解で非常に読みづらくて、随分長期間かけて読んだのだけど、それだけ時間をかけた甲斐がある念入りな面白さだったと思う。あと登場する女性たちが男性が書いた物語にしては珍しいぐらい魅力的だ。特に主人公の親類にあたる二人の老婦人はすばらしい。ただ、物語の展開はほかのストラウブの小説となんら変わるところがなくて、下巻にはいるぐらいから大筋はどうしても読めてしまうのがちょっと残念だ。



小林泰三 『家に棲むもの』 角川ホラー文庫  2003年3月14日 (購入)

短編集。表題作が一番かわいかった(?)。ヒロインの立場からすると恐怖だけれど、義母の人情や結末がなんとも微笑ましい。読んでから、だいぶ経ってしまったのであとの話はあんまりよく覚えていない。



牧野 修 『ファントムケーブル』 角川ホラー文庫  2003年3月14日 (購入)

後ろ暗い過去を持つものにかかってくる、使われてない電話番号からの電話。それがテーマの連作短編集なのかもしれない。そう思ったのだけど一番気に入った顔を栽培するを読んだ時、連作というにはあまりにも強引すぎるかなと思った。(う、えらそう)



金城一紀 『GO』 講談社文庫  2003年3月20日 (購入)

読む本を忘れたのでキオスクでなんとなく購入。思ったよりも面白かった。でも知らない世界をのぞくという意味ではものすごくラブストーリーが邪魔だし、ラブストーリーとして読むには重すぎる。その中途半端さがわりかし広く受け入れられているのかもしれないけれど、私はそういう姿勢はあんまり好きじゃない。でも、もしかしたら真面目に書くには本人にもまだ重過ぎるのかもしれない。



シェリー・ベネット 『ラーラはただのデブ』 講談社文庫  2003年3月20日 (購入)

GOが読み終わってしまった外出先で仕方なくキオスクで購入。これも思ったよりも面白かった。親に好かれようとして無理を重ねるラーラがその演技に破綻してから立ち直るお話なのかも。読んでいたら、自分は親に愛されて育ったのだなあとしみじみありがたく思った(こういうこと考えるのって嫌なやつだよね)。かといって親孝行するわけでもないのだけど(してやれよーーーー>自分)。ダイエットに成功したことがなく、真面目にやったことがないから失敗したこともないってのは幸せの証拠なのかもしれない。それにスタイル抜群の美人じゃないほうが本当は幸せのような気がする。



山田風太郎 『くの一忍法帖』 講談社文庫  2003年3月26日 (購入)

あんまりまともな本が読みたくなくてなんくの一たちよりも、敵である伊賀忍者が駆使する術がなんとも馬鹿で笑える。でも、せっかくの絶世の美女たちをこんなにも使い捨てされるのはちょっと悲しいような気がする。一冊でおなかいっぱいかなあと思いつつ、魔界転生もちょっと読みたい(おい)。