2003年5月の感想
ヒラリー・ガードナー他 『ファットレディス・クラブ』 主婦の友社 2003年5月1日 (購入)
- どこかで書評を見つけて、妙に読みたくなったので取り寄せてみました。イギリスでベストセラーになった5人の仲良し妊婦の妊娠・出産についての気軽なおしゃべりを書きとめたようなエッセイ(?)。どうして本になったかというエピソードと、中身の楽しさ(恐ろしいともいうけど)のギャップが悲しい。
柴田よしき 『桜さがし』 集英社文庫 2003年5月6日 (購入)
- 売れない作家浅間寺と、彼の四人の教え子たちのせつない恋愛が描かれた連作小説。全体として無難で汚れたおばさんでも意地悪な気持ちから出なく綺麗と思える恋愛物語でもある。途中で無理矢理ミステリの要素を入れてるような消化不良を感じた作品がいくつかあったが、最後に上手にまとめられている感じがする。桜が題名につく恋愛小説なら、個人的には坂東眞砂子の桜雨の方が悲しくて好きだけど。
小路行也 『空を見上げる古い歌を口ずさむ』 講談社 2003年5月17日 (購入)
- 読んでいるといろいろな郷愁めいた妄想が膨らむファンタジー小説だと思う。文中に登場するパルプ町とだぶるのは小学生のころみた「走れクラウス」という映画に出てくる夕張炭鉱の町並(北海道ってことと基幹産業がひとつってことしか共通点がないじゃん)。パルプ工場とたぶるのは、学生のころ工場見学実習で行った静岡の合板工場。子供のころの読書といえば、なけなしの想像力で映像も思い浮かべながら読むだった。だけど、インターネットで書評や読書系サイトを巡回するうちにこれもあれもと追い立てられるようにするようになってしまった。そんなことを反省させられる要素をもった品のいい小説だと思う。だけど、終わり方が唐突な気はするし、登場する女性の描写への嫌悪感はぬぐいきれない。次回作に期待したいと思う。(生意気書いて本当にすみません)
横山秀夫 『陰の季節』 文春文庫 2003年5月26日 (購入)
- 警察小説の短編集。
捜査畑の登場人物を主人公にすえないところが新しいとか。
顔の平野瑞穂が休職するきっかけとなった事件のお話なども興味深かったです。
「顔」でも思いましたが、
女性をとりまく環境や女性の登場人物を冷静に書いているのが
とても不思議ですし、
組織の中の息苦しさをこれでもかと書き込んでいるのに、
結構あっさりと読めるのも不思議です。
面白いのだけど、どれものめりこめないのが残念です。上手だとは思うのですが。
横山秀夫 『動機』 文春文庫 2003年5月28日 (購入)
- 二渡が登場するお話もある短編集。
上手だけど納得いかないといった印象の作品が多かった。「動機」はまだよかったのだけど「逆転の夏」は話がややこしくて興ざめしてしまった。あと「密室の人」には生理的に受け付けない。死んだ妻、新しい妻に対する主人公の冷たさ、また二人の女性の描写が妙に男性に都合がいいことが気になるのかもしれない。
『殺ったのは誰だ?!』 講談社文庫 2003年5月29日 (購入)
- 貫井徳郎さんの「被害者は誰?」と間違えて購入した10人の作家によるミステリの短編集。どれもあんまり好きじゃなかったけど、今野敏さんの「刑事部屋の容疑者たち」は微笑ましくて可愛かった。たぶん随分雰囲気は違うだろうけれど話題になった(どこで?)「アキハバラ」なぞも読んでみたくなった。反対に二階堂黎人さんの本はきっと一生読まないだろうなあ。いい悪いとか面白いつまらないじゃなくて合わない感じだ。たまにはこういう短編集も作家のカタログを見るみたいで楽しいかも。
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