2003年8月の感想






石田衣良 『池袋ウエストゲートパーク』 文春文庫 2003年8月16日 (購入)

信兵衛さんよりお薦めいただいた著者の本を読んでみました。たぶん実生活ではまったく係わり合いをもたないタイプの若者たちが登場する連作短編集で文章がとても丹精でした。ドラマの印象とはまったく違いますが、これはこれで好きかも。



石田衣良 『うつくしい子供』 文春文庫 2003年8月16日 (購入)

殺人者となってしまった弟の心を理解しようとする14歳の兄とその友人たちの姿が淡々と描かれているのだけれど、それがなんとも美しくて、作り物の物語と知りながら涙なしには読めなかった。過去の自分にプレゼントして、自分の過ちから友達だった人を守ってあげたいと思った。それが無理だからこそ、二重に泣けるのだろうけれど。



石田衣良 『少年計数機』 文春文庫 2003年8月19日 (購入)

池袋ウエストゲートパークの続きの連作短編集。面白いかつまらないかと聞かれたら面白いけれど、こっちのマコトはどうも好きになれない。ただ登場人物も物語もそれなりに魅力的でおじいちゃんコンビが素晴らしく可愛らしい。



五條 瑛 『スリーウェイワルツ』 祥伝社 2003年8月23日 (購入)

日航機墜落事故と思われる墜落事故と、北朝鮮、日本、アメリカの三つ巴のスパイ合戦をからめた物語なのですが、こういうのは本当はあまり好きではありません。無関係の人を巻き込むむごい事故は嘘でも苦手なのかもしれません。それでも、主人公の少年の成長と、彼に接触する少年の心の変化のみずみずしさにはおばさんはちょっとやられてしまいました。



石田衣良 『エンジェル』 集英社文庫 2003年8月23日 (購入)

霊という存在となった主人公が、なぜ自分が死んだかという心の旅をするというような物語。最近見ていたスカイハイって子供だましのドラマっぽい(子供だましで恥ずかしいのに熱中していたらしい)けれど、あまりにも文章や物語の構成がうますぎる気がしてあんまり好きになれなかった。上手だからいいってものでもないのだろうか。