2003年10月の感想






山本有三 『真実一路』 新潮文庫 2003年10月3日 (購入)

昼メロにつられて手にとって見たけれど、真珠夫人と違って、大衆小説ではなく文学なのかもしれない。誰の物語が主題なのかとてもわかりづらいが、たぶんむつ子の息子が主人公なのだろう。むつ子だけではなく、わけのわからない理由で道を踏み外していくのに半端じゃなくいらいらする小説だ。どうして、自分のことを思ってくれる人を信じられないのだろう。でも、現実もそんなものなのかもしれない。



東野圭吾 『殺人の門』 角川書店 2003年10月25日 (借りる)

杏さんより、半端じゃなくむかつくということでお借りしました。本当にむかつきました。真実一路の坊や以上にわけわかりません。と思ったのだけれど、私もこういう友達にひっかかって、いい友達になれたかもしれない人を傷つけたことがありますし、人生で馬鹿な選択をしたことがあるように思います。悪いことにたぶんそういうところは完全には改善されていません。だいぶ人を見る目は養われてきたのですが、悪い人って魅力的なんですよね。とほほ。そう思うと本当に読んでいてなんともいえない嫌な気持ちになります。



石田衣良 『娼年』 集英社 2003年10月27日 (購入)

男娼となった大学生の成長を描く物語なのだろう。著者の視線というか文章というか気持ちが優しすぎるのか、とにかく内容のわりにはものすごくぬるい物語だ。しかも、どこかで読んだ内容のような気がして全然新鮮味がない上に、私としてはあまり好きじゃない結末だった。ただ、世間というものを暗示するのが主人公の女友達だとしたら、実は反社会的なのかもしれない。



アン・ライス 『呪われた天使、ヴィットーリオ』 扶桑社文庫 2003年10月30日 (購入)

耽美小説と間違えて買ってしまった吸血鬼もの。吸血鬼もの自体は好きなのだけれど、この人のはどうも肌に合わないようだ。フランスとイタリアの歴史が私の認識とあまりにも違うのもすごく気になる。そんなに間違って覚えてるのだろうか。おお、こわ。