読んで一言
なぜか、感想を書けなかった本についての一言です。
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椎名 誠 『街角で笑う犬』 1997年10月1日
- 椎名さんが旅先で写した写真と、その情景に関するエッセイが綴られた本です。モノクロの街角のスナップと写真でとりきれなかった感想が、淡々と書かれています。こういう何気ない文章は、椎名さんの心の暗部が強烈に自己主張しているような気がして、私は結構怖いと感じます。もの思う秋のせいでしょうか。
椎名 誠 『トロッコ海岸』 1997年9月11日
- 小学校高学年から中学にかけての少年が主人公の短編(連作含む)集とエッセイ。小学校や中学校の時にした、男の子との口喧嘩を思い出しました。それにしても、本当に自分が椎名さんのファンなのかどうか考え込んでしまいました。
藤代三郎 『戒厳令下のチンチロリン』 1997年9月05日
- 競馬中心のギャンブルエッセイ。はっきり言って、競馬のところは私には意味が全くわかりません。私みたいな宝くじと人生だけがギャンブルという人がターゲットではないらしいのでとやかく言えません。とりあえず、競馬以外の部分はなんとか解読しました。解読した部分はなかなか笑えました。
ハロルド・シェクター 『オリジナル・サイコ』 1997年8月10日
- ヒッチコックの「サイコ」等、数多くの映画や小説のルーツとなった、エド・ゲインの事件を追ったノンフィクションです。家庭環境や、わかっている限りの事件の経過、逮捕後の出来事などを、淡泊に丁寧に書いてあります。妙な脚色がなくて、読みやすいです。
亀谷 了 『おはよう寄生虫さん』 1997年8月06日
- 目黒寄生虫館の館長さんの本です。風土病と寄生虫との関係、あらゆる寄生虫を求めて東奔西走したこと、寄生虫館に出入りする少年達、恩師や戦時中・戦後の研究背景など、多岐に渡る内容でかなり楽しめます。こういう本の唯一の欠点は、なぜか読んでいると自分の体もムズムズしてしまうことと、鬱状態の時に読むと病気になったような気分になってしまうことでしょうか。でも、やめられないんですよね。
椎名 誠 『おろかな日々』 1997年7月29日
- 「ひるめしのもんだい」に続く日常的ウマシカエッセイ集の第二弾です。といいつつ、まだ「ひるめしのもんだい」は読んでいません。週間文春の1990年12月20日号〜1992年1月30日号連載分ということで、なんだかその頃のことを思い出してしまいました。(南国かつおまぐろ旅にも同じ様なことを書いた覚えがあるけれど。)これを読んでいたのは仕事の移動時間でした。ふと顔を上げたら、一瞬どこにいるんだろうかと考えてしまいました。ちょうど、ふと気づいたら○○○と言った恐怖感について書いてある部分を読んでいたので、少し驚いてしまいました。いけませんね、一応仕事中なのに。
折原みと 『黒の暗闇王(下)』 1997年7月28日
- これで、アナトゥール星伝は完結か?!と思って買ったのに、予想は外れてしまいました。やっと折原みとから足を洗えると思ったのに………。一作目の「金の砂漠王」と二作目の「銀の星姫」までは良心的でしたが、だんだん軽くなってきて、とうとう堪忍袋の緒が切れました。知識がない人の啓蒙になら悪くないし、対象年齢をとっくに過ぎた人の戯言でもあるので、折原ファンの方許してね。やっぱり、私も歳だなあ。
エリザベス・バーグ 『ケイティの夏』 1997年7月17日
- 母を亡くして、厳格で暴力的なところもある父と暮らすケイティとその姉の一夏を描いた小説です。家出やデート、子犬を飼い始めることなど、いろいろな出来事を通して、ケイティの父親への気持ちと父親の態度が変化していきます。本筋とは関係ないけれど、ケイティ姉妹が、早く大人になりたいと願っているのが不思議でした。同じくらいの年頃の自分を振り返ると、子供のままでいたいと願っていたような気がします。これが、ケイティたち特有のものなのか、アメリカの女の子一般のものなのかと、ふと考えてしまいました。
藤堂志津子 『プワゾン』 1997年4月26日
- 女の恋の年齢による変化がテーマの恋愛小説集です。出てくる登場人物に幸せそうな人はいないというのに、淡々と語られていて悲劇という感触がありません。ただ、最後の「コンチェルト」だけはもの悲しくて、自分の将来がすごく心配になります。個人的には、「静物たち」が一番好きです。
池内 紀 『街が消えた』 1997年4月25日
- 目白文化村、田園調布、国立等の今で言う高級住宅地をテーマとした短編ミステリーです。大変お洒落な小説です。家の本棚に並べておいて、描かれている街を見学するなんて楽しみ方も出来そうです。そう言えば、住宅地なんて、どういういきさつで作られたか考えてみたことがなかったように思います。ただし、田園調布のいきさつについては、なんと高校の家庭科の授業で習っていて、その通りの説明だったので、家庭科の授業を見直しました。
竹河 聖 『風の大陸 第十四部 渦』 1997年4月18日
- やっぱり待たされたので、またもや前の方を読み返してしまいました。歳だろうか、どうもどういう展開だったか詳しくは思い出せなくなってしまう。美形趣味の境地だとか、皮肉を言うのはやめて、一体どういう結末になるのかのみを気にすることにしています。でも、登場人物がいい人すぎて物足りないなんて言ったら、殴られちゃうかなあ。
藤堂志津子 『私から愛したい。』 1997年4月11日
- 幻冬舎文庫、創刊万歳!!少しでも多くの本を持ち続ける工夫として、同じサイズの本をできるだけ買うようにしています。スペースの倹約のため、購入は原則として文庫本と決めています。その私にとって幻冬舎の本は困った存在でした。買っても置き場所はないけれど、読みたいんです(個性的な本が多くて楽しい)。いつだか、作家にとって、「図書館で借りて読みました」イコール「自分の本に払う金はない」だと聞いて、ショックを受けました。でも、読む量が半端じゃないし、気に入らなければ結局あげたり売ったりしてしまうから、図書館利用はやめられません。この人なら信用できる!!と思ってからでないと買えません。で、エッセイは大抵嫌いなのに、藤堂さんだからという単純な理由で買ってしまいました。感想は、まあまあです。読めば、小説の深読みの手助けになります。恋愛論には新鮮味はなかったけれど(他の本に藤堂さんが書いているので)、読書日記がおもしろかったです。
西原理恵子 『怒濤の虫』 1997年3月30日
- OZmagazenで、旅行記を連載していたのを発見したのが出会い。性格が悪く人間を捨てているとの噂を持つ漫画家西原理恵子さんのエッセイです。雑としか思えない絵と、どうにも止まらない毒舌が爽やか(?)な一冊です。でも、好き嫌いがかなり分かれる方なので、あんまりお薦めできません。
吉本ばなな他 『中吊り小説』 1997年3月29日
- 椎名誠MLで、話題になったことがあったので、思わず買ってしまいました。と、言っても古本屋でですけれど。JR東日本の「連載 中吊り小説」のうち十一編が収録されています。中には、椎名さんや阿刀田さんもありました。でも、私が気に入ったのは日頃ひいきのお二方のものではなくて、赤川次郎さんと嵐山光三郎さんのものでした。ふらっと読むショートショートとしては、かなりポイント高いなあなんて。
すかんち 『恋の謎謎変人図鑑』 1997年3月27日
- おお、懐かしい。なんて思わず買ってしまいました。いかんいかん。ローリー寺西が好きでコンサートに行って、しまちゃんのファンになって帰ってきて、その翌年すかんちが解散となって悲しい思いをしています。しくしく。平たく言えば、ファンになるのが遅すぎたのね。
ナンシー・A・コリンズ 『ミッドナイド・ブルー』 1997年3月26日
- 革ジャンにサングラスの女吸血鬼ソーニャ・ブルーを主人公とする幻想小説。新聞か雑誌かどちらかで書評を見かけて、読みたいなあと思っていたら、古本屋で発見したので早速購入してみました。しかし、この系統の小説はやっぱり私には読解力がないようです。白黒がはっきりしないのは構わないんだけれど、主人公の人格が定まらないのはやっぱり難しいです。
家田荘子 『ボディ・アタック』 1997年3月12日
- ほんとうに一言だけ。もし、実話がベースにあるなら、芸能界と麻薬は怖いなあという感想の短編集でした。
渡辺一枝 『眺めのいい部屋』 1997年3月9日
- 椎名誠メーリングリストで話題となっていた、椎名さんの奥様のエッセイです。そういう言われ方は心外だろうけれど、まあ読むきっかけの一つだからということで大目に見ていただけると嬉しいです。ご本人やその生活が透けて見える正直な文章でしたので、その生真面目さが息苦しかったです。でも、本当に丁寧に書かれた文章だなあと感心しました。生活の知恵やこだわりなども見習いたい部分が多かったです。まあ、こんなにまめな暮らしは私には無理だろうなあ。そうか、願望を実現している人への嫉妬だな、きっと。
マイケル・ブラムライン 『器官切除』 1997年3月8日
- こ、これは気持ちが悪かった。ついでに意味がよくわからなかった。スプラッタ短編集とでも言うかなあ。結構、医学ものをたくさん読んでいるから、必然性のあるスプラッタなら平気なはずなんだけれど。この著者は一体どういう人なんだろう?と、ふと彼の人物像が気になる本です。よけいなお世話だろうけれど。
折原みと 『紫の明星姫(アーリアン)』 1997年3月4日
- アナトゥール星伝の第6作。ばりばりの少女小説teen's heartのシリーズです。普通の女子高生が異世界で大活躍、そしてその恋の相手は金髪の超絶美形の王子様というファンタジーです。昨年の9月に出ていたのに気づきませんでした。内容は、敵が初めて具体的な形で登場して、ようやく最後に向けて展開しているなあという感じです。昔から、例え少女漫画でもこういうお気楽な作品は敬遠していたはずなのだけれど、私も歳かなあ。
藤堂志津子 『椅子の上の猫』 1997年3月2日
- 北海道文学賞受賞、おまけに文庫書き下ろし。そんなわけで珍しく新品を購入。長く続いた恋人が離れていった後で、おかまバーのマダムGのもとに転がり込んでしまった主人公の奇妙な生活を描く「椅子の上の猫」と、かつての恋人とお気に入りのバーで偶然会ってしまう「再会」の2編の短編が収録されています。藤堂さんの小説を読むと、将来についてあれこれ考えてしまいます。
藤堂志津子 『やさしい関係』 1997年3月1日
- 男2人、女2人の4人の友情は、大抵カップル2組でないと継続しないという。でも、主人公を含む4人の友情は、その中の一人加賀見の結婚と離婚を含む数年間、問題もなく滞りもなかった。今のやさしい関係を壊すくらいなら、自分の気持ちを封じ込め続けようとする登場人物たちの行動がなんとなく身につまさるので、これ以上は冷静に書けない。
橋本 治 『三日月物語』 1997年2月23日
- 岡田嘉夫さんの絵が美しい絵物語(?)です。
毎日新聞の日曜版に連載されていました。
毎日新聞と朝日新聞を交互に一年ずつとるという(別に洗剤とかをあてにしているわけではない)父の方針により、最終回を見逃してしまったため探していました。でも、これってやっぱり通して読むものじゃないなあというのが正直な感想です。主人公の葉桜の上の生き方が妙に危ういものに思えてきます。当時の深窓の姫君が皆こういう生き方をするしかないのなら、現代の庶民に生まれてよかったなあと。どうも私には、平安の雅を解する心はなさそうです。
岡田嘉夫さんの絵も新聞紙へのカラー印刷とは微妙に色調が違ってしまって悲しかったです。つるつるの紙に印刷すると妙に色が鮮やかになってしまうような気がするのは私だけでしょうか?
阿刀田高 『夜に聞く歌』 1997年2月14日
- なるべく夜に読んで下さい。との注釈付きの短篇集です。
十作全てが、一文字題名で摩訶不思議な世界を持っています。
本当に夜読んで眠れなくなると困るので、思いっきり昼間に読みました。それが反則なのかそんなにこわい話はなかったような気がします。でも、違う意味で『夢』という話はこわかったです。自分の夢はあんまり他人様に教えられないものもあるし、同様に他人様の夢で知らない方が幸せなものもありますから。
それにしてもバレンタインに読む本じゃないよなあ。
阿刀田高 『壜詰の恋』 1997年2月8日
- 夢と現実の狭間をさまよう人がテーマでしょうか?阿刀田さんのわりあい初期のブラック・ユーモア短編集です。
勝手にテーマ別に分類すると、
悲惨編:長距離ランナー、追われる男、夫婦の休日、灰色の声
艶めき編:瓶詰の恋、冷たい関係
因果応報編:セールスマン講座、夢の街
これで終わるなんて許せない?編:賢者の贈り物、魔除け
よくこんなこと考えつくよなあと、いつもながら感心してしまいました。
知的生活追跡班 『お客の知らない(得)ウラ情報』 1997年2月3日
- 急に仕事で外出となり、バスが来るのを待ちきれなくて思わず買ってしまいました。広く浅くいろいろな情報が書いてあります。案外損して暮らしているんだなあというのが素直な感想です。でも、この本をざっと読んでから、興味深い参考文献を読むのが正しい使い方のような気がします。
日本消費者連盟 『続あぶない化粧品』 1997年1月30日
- これを読むとさすがに化粧はこわくなります。でも、このシリーズの本の文章がはっきり言って嫌いです。もっとクールに書いてくれれば、納得できるのにと思います。いつだか同じシリーズの『それでも化粧したいあなたに』って本を読んだ時も、そう思いました。化粧品はもちろんシャンプーやムースにまでかぶれたことのある私としては一応切実な気持ちで読み始めたんですけれど。「脂肪酸ナトリウムだって、ナトリウムの化合物じゃん!大丈夫なのかよ」とか、「酢酸だって、酸だぞ!」とか、「水だって今危ないんだぞ!」って、ついつい揚げ足とって反論したくなります。でも、素直にこのシリーズの本で推奨する生活を実行している友人もいるから、私ってあまのじゃくなんだろうなあ。きっと。
エリザベス・バーグ 『ジェイ』 1997年1月28日
- 夫が突然の事故で昏睡状態に陥るという悲劇に見舞われたレイニーとその娘たち、そして彼女を取り巻く女の友情が描かれた小説でした。幽霊が出てきたり、声にならない夫ジェイの言葉があったりとなんとなく幻想的で、現実感がどうしても感じられませんでした。単にアメリカと日本の感覚の違いなのでしょうか?ただ、レイニーと隣人アリスの生き方が前向きで美しいと思いました。
椎名誠 『中国の鳥人』 1997年1月25日
- 不思議な短編集です。楽しく読めました。「たどん」という話が頭から離れなくなりました。
私はタクシーが嫌いで、乗る度に妙に緊張してしまいます。まず、行き先を告げるのが面倒だし(大抵道がどうしてもわからない時に乗るため)、運転手さんに話しかけられるとどう答えていいのかわからなくてドキドキしてしまうし、話しかけられないと沈黙が気詰まりだし。そんなわけで、よけいタクシーが怖くなってしまいました。おまけに夢まで見てしまいました。何の役だったかは秘密です。なんちゃって。
谷村志穂 『自殺倶楽部』 1997年1月24日
- 自殺する予定の人間が集まる自殺倶楽部。主人公はこれの記録係となってくれと依頼されるのだが………。あまりに不思議な世界でした。死にたいと思ったことがあっても、この登場人物の気持ちはよくわかりませんでした。そんなに生きている世界が嫌いなのだろうか?なんて言ったら「あんたなんかに私の気持ちがわかってたまるもんですか?」って言われそうです。寝る前に読んだら、すっかり寝付きが悪くなってしまいました。
香月葉子 『S』 1997年1月20日
- 姉と、姉を独り占めを望むが素直ではない妹。しかし、姉の恋愛によって、二人の関係は変化していく。エスって、やっぱりシスターのことでしょうか?
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