ファンタジーRPGに使えそうな化学 ◇


ファンタジーRPGに登場する化学というと、
一般的に思い浮かべられるのはやはり、
錬金術でしょうか。

卑金属から金を作ろうとするアレですね。

もちろん、化学的な操作でそれを実現させるのはほぼ不可能であるようですが。

ということは、当時知られていた金属元素に、
金と卑金属があってもおかしくありませんね。
ゲームに錬金術師を登場させているなら、
上記の金属類の存在は認められるわけです。

D&Dに限るなら、プラチナとエレクトラムもあることになります。

実際の我々の化学史のうち、元素の発見についてをひも解いてみますと、
3世紀以前までには既に、

炭素 (C)硫黄 (S) 金 (Au)
銀 (Ag)銅 (Cu)鉄 (Fe)
水銀 (Hg)スズ (Sn)鉛 (Pb)

は知られていたそうです。

アルキメデスの金の冠の話を思い出して下さい。
紀元前にはすでに金が知られていたことになるのですから(比重の発見)。

その後、3世紀から17世紀までの間に錬金術師によって、

リン (P)ヒ素 (As) アンチモン (Sb)
ビスマス (Bi)亜鉛 (Zn)

の発見が報告されました。
ここに挙げた以外の元素については、
これ以前の歴史には登場しません。
といいますか、地球上には存在していたけれども、
それが人類の目の前には姿を現していなかった、
つまり知られていなかっただけのことです。

そう考えると、D&D世界の錬金術師は、
我々の世界の錬金術師よりも運が良かったのでしょうね。
我々の錬金術師よりも一つ多く元素、
プラチナ (白金 Pt)を見つけ、それを報告していたのですから!


ここに、知られていた各元素のデータを、周期表に沿った形でまとめてみましょう;

元素の周期表

1A 2A 3A 4A 5A 6A 7A 8 1B 2B 3B 4B 5B 6B 7B 0
1 1
H

典型非金属元素 2
He
23
Li
4
Be
 典型金属元素 5
B
6
C
7
N
8
O
9
F
10
Ne
311
Na
12
Mg
 遷移金属元素 13
Al
14
Si
15
P
16
S
17
Cl
18
Ar
419
K
20
Ca
21
Sc
22
Ti
23
V
24
Cr
25
Mn
26
Fe
27
Co
28
Ni
29
Cu
30
Zn
31
Ga
32
Ge
33
As
34
Se
35
Br
36
Kr
537
Rb
38
Sr
39
Y
40
Zr
41
Nb
42
Mo
43
Tc
44
Ru
45
Rh
46
Pd
47
Ag
48
Cd
49
In
50
Sn
51
Sb
52
Te
53
I
54
Xe
655
Cs
56
Ba
57 -
71
72
Hf
73
Ta
74
W
75
Re
76
Os
77
Ir
78
Pt
79
Au
80
Hg
81
Tl
82
Pb
83
Bi
84
Po
85
At
86
Rn
787
Fr
88
Ra
89 -
103
※表中の赤いマスが、見つかっていた元素です


弁護士が六法全書の全てを暗唱するのは無理であって、
その都度参照箇所を憶えておけば良い、
というのと同じように、周期表を全て暗記する必要はなく、
その都度表のどのへんに注目元素が位置していたかを思い出せばよいので、
表の存在は重要です。

この表を見て驚くべきことに、
昔の人々はなんと、我々の身の回りのごくありふれた、
そして重要な物質である水の構成元素である水素と酸素を知らなかったんですね!

そしてまた、カルシウムをも知らなかったわけですから、
骨が何からできているかも知らなかったわけです。
ところで、カルシウムって金属なんですよ。
メタリックな輝きをもつ固体なんですね。

ありふれた物質である塩化ナトリウム、
つまり食塩なんですけど、
食塩は金属光沢を放ちませんね?
でも、ナトリウム単体では、
カルシウム同様、金属光沢をもつれっきとした金属なのです。
(カルシウムはアルカリ土類金属、ナトリウムはアルカリ金属)
ただ、大気中に放っておくと一瞬で酸化してしまうのですが…

続く >>>
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