CMOSデジタル回路


CMOSデジタル回路を設計するためのメモ.

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 1. nMOSトランジスタとpMOSトランジスタ

 下図はnMOSトランジスタを模式的に表したものである.



 ゲート部はMetal(導電体)- Oxide(酸化膜)- Semiconductor(半導体) という構造をとっており,この頭文字をとってMOSと呼ばれる. 通常の状態ではソース-ドレイン間に電流は流れないが, ゲートにある閾値以上の正電圧を加えた場合, ゲート直下のp型領域に電子が集まり,キャリアの通り道(チャネル)が形成され, ソース-ドレイン間に電流が流れる. ここで,上図のようにn型のチャネル(多数キャリア:電子)が形成されるMOSトランジスタを「nMOSトランジスタ」, 逆にp型のチャネル(多数キャリア:正孔)が形成されるMOSトランジスタを「pMOSトランジスタ」という.

 下図はnMOSとpMOSの,デジタル回路における性質を表したものである.



デジタル回路では,nMOSは「ゲートに"H"を加えると閉じるスイッチ」, pMOSは「ゲートに"L"を加えると閉じるスイッチ」と考えることができる.

 2. CMOS回路

 ソース-ドレイン間導電性の特徴は,nMOSトランジスタとpMOSトランジスタで大きく異なる. 特性の記述はここでは省くが,デジタル回路においてnMOSトランジスタは という特徴を持ち,pMOSトランジスタは と,正反対の特徴を持つ. この2つの特徴を踏まえ,"H"と"L"を両方とも正確に伝えるため, それぞれの欠点を補い合うように構成した回路を CMOS(Complementary MOS)回路と呼ぶ.

 例として,CMOS回路で構成したインバータ(NOT)回路を下図に示す.



この回路は,inputが"H"のときにはnMOSを通してoutputが"L"となり, inputが"L"のときにはpMOSを通してoutputが"H"となる. つまり,各々のMOSトランジスタでは自分の得意な信号のみを伝えている.

 3. CMOS組合わせ回路の設計

 次に,論理式を元にしてCMOS回路を設計する方法を示す. CMOS回路は一般に以下のような手順で構成することができる.
  1. 論理を反転する
  2. nMOS回路を作る
  3. pMOS回路を作る
  4. nMOS回路とpMOS回路を接続する
ここでは例として,以下のような論理式に対応するCMOS回路を設計する.



1. 論理の反転



2. nMOS回路

反転した論理式に対し, というルールに従い,nMOSトランジスタを並べる.



3. pMOS回路

反転した論理式に対し, というルール(nMOSの逆)に従い,pMOSトランジスタを並べる.



4. nMOSとpMOSの接続

上から
  1. VDD
  2. pMOS回路
  3. nMOS回路
  4. GND
の順に接続し,pMOSとnMOSの間から出力を出す.




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