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嬲ると嫐る

阿辻哲次さんの著書「漢字三昧」で「る:なぶる」について解説があり、 「る」も同じ読み、意味であると説明があった。

「嬲」は昔から知っていた。形からは「なぶる」より「三角関係」が近そうだが。

「嫐」は五味康祐の小説「薄桜記」で読んだ記憶がある。 それによると、この字は「うわなりうち:後妻討」と読む。 離婚して夫が再婚した場合、前妻が友人達 (女性のみ) を集めて後妻のところに押し入り、 乱暴狼藉を働く習慣だったそうである。

ただし、小説の「うわなりうち」は「嫐」ではなく、 「嫐討ち」だったかも知れない。

今昔文字鏡で「嫐」を引いたら「ウワナリ、ナブル」と訓があり、 単に後妻を意味したようである。 この字がJISに入っている (コード "9B6B"H) ことを知って驚いた。 広辞苑に「うわなり」は後妻とあるが「嫐」の字はない。

大辞林によると「嫐:うはなり」は歌舞伎十八番の一つで、 後妻討騒動を茶化した芝居だそうである。 「嫐」がJISに入っているのは歌舞伎十八番の一つだからではあるまいか。

[追記]
「娚」もJISに入っている(コード "9B52"H) 。「めおと」と読む。

[余談]
数十年前ある飲み会で、「嫐」は何と読むのだろうと話題になったことがあり、 「うわなり」だと言ったら爆笑されたことがある。 どうも、満座の連中は「ふたなり」と勘違いしたらしい。困ったものだ。

「うはなり」と「こなみ」

「後妻(うはなり)」に対して「前妻」を「こなみ」と読む。 今昔文字鏡には「こなみ」の読みで[女君]が掲載されており、国字とある。 JISには入っていない。
* 偏が女、旁が君の字

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First Written August 25, 2003
Transplanted to So-net May 3, 2005
Last Update August 26, 2005

© Yasuaki Nakano, 2003-2005