言の葉研究会報(3/2号)
2002年3月2日 午前10時10分

今週のことば
道がつづら折りになって、いよいよ天城峠に近づいたと思う頃、
雨脚が杉の密林を白く染めながら、すさまじい早さで麓から私を追ってきた。
                                   『伊豆の踊り子』


「天城峠に入る頃、雨が降ってきた」という情景説明の一文が言の葉の組み合わせでこうも変わる。
川端康成の文章は、黙読よりも、ラジオから流れてくる静かな朗読で味わうのが一番心に染み入る。
ひとつひとつの言葉が、まるで宝石のようだ。
『雪国』と『スノーカントリー』のあいだにはニュアンスのズレがある。
英訳するとこぼれ落ちてしまう語感にこそ川端康成の本領がある。
川端の文章によってはじめて私は、美しい日本語とはどういうものかを知った。
美しい日本語には、世界を官能的に捉える感覚が溶け込んでいるのである。

  言の葉研究会 会長
  芹澤 芹之介
  〜座右の銘・感動したコトバお聞かせください〜


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時代おくれのドンキホーテ
人呼んで平成の寅次郎と発します・・・。
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